家は「住む人と育つ」もの。持続可能な住まいをつくるリノベーション術
目次
- 家は“完成”ではなく“成長”していくもの
- 持続可能な住まいとは?SDGs時代のリノベの視点
- 岩手の自然環境と調和する住まいづくり
- 長く使い続けるための素材選びと設計手法
- メンテナンスと可変性がカギ
- まとめ|住まいも「育つ」時代へ
1. 家は“完成”ではなく“成長”していくもの
私たちは、家を「買って終わり」「建てて完成」と考えがちです。
けれど本来、家は住む人のライフスタイルや価値観の変化に寄り添いながら育っていくもの。
子どもの成長、働き方の変化、老後の暮らし方——人生のステージに合わせて、家も変化し続ける“生きた器”なのです。
そのためには、「一度つくったら終わり」ではなく、将来の変化も見越して“育てられる住まい”をつくる視点が大切です。
2. 持続可能な住まいとは?SDGs時代のリノベの視点
環境に配慮した暮らしが求められる今、家も“持続可能性(サステナビリティ)”を考えて設計・改修する時代になりました。
「持続可能な住まい」とは、単にエコな設備を導入するだけでなく、長く快適に使い続けられる構造と仕組みを持った家のことを指します。
持続可能なリノベのポイント
- 再利用可能な素材・地産の自然素材を選ぶ
- メンテナンスしやすい設計にする
- ライフステージに応じて間取りを変更できる柔軟性を持たせる
- 断熱・換気・耐震など、長期的に快適で安全な性能を持たせる
こうした視点を取り入れることで、「今だけ良い家」ではなく「未来にわたって良い家」が実現できます。
3. 岩手の自然環境と調和する住まいづくり
岩手は、四季の変化がはっきりとし、冬は寒さが厳しく、夏は湿度も高めという、住宅の性能が問われるエリアです。
また、森林資源が豊富で、地域に根ざした素材や建築文化も残る場所でもあります。
持続可能な住まいを考える上で重要なのは、岩手の気候・文化・暮らしに根差した住まい方を理解することです。
岩手らしい住まいの工夫
- 薪ストーブやペレットストーブの導入で地域資源を活用
- 南向きの窓で太陽熱を取り込むパッシブ設計(自然の力を活かす設計手法)
- 岩手県産の木材を使い、地元経済と環境負荷低減に貢献
- 断熱強化によって冬の暖房エネルギーを抑える
こうした工夫により、自然と共生しながら快適に暮らせる家が実現できます。
4. 長く使い続けるための素材選びと設計手法
家の「持続可能性」は、素材や構造の選び方にも大きく左右されます。
一時的な見た目や流行で選ぶのではなく、経年変化に耐え、修理・更新がしやすい素材と設計が重要です。
■ 経年変化を楽しめる素材
- 無垢材(むくざい):天然の木材。使うほどに味が出る
- 漆喰や珪藻土(けいそうど):調湿効果があり、自然素材の風合いが魅力
- 素焼きのタイルや金属素材:傷や変色すら“味”になる
■ 長寿命化の設計ポイント
- 構造をシンプルにし、補修しやすくする
- 将来の間取り変更を見越して配管・配線の位置を工夫する
- メンテナンススペース(点検口)を設ける
このように、“美しさの持続”と“使いやすさの持続”を両立する設計が、長く付き合える家には不可欠です。
5. メンテナンスと可変性がカギ
どれだけしっかり作られた家でも、時間が経てば劣化は避けられません。
しかし、“修理できる・変えられる”設計になっていれば、家は壊すことなく、育てることができる存在になります。
■ 可変性のある住まいの例
- 間仕切り壁が移動できる可動式の空間
- 個室と共有スペースをスライドドアでつなげる間取り
- 子どもが独立した後も別用途に活用できる空間構成
加えて、日常的な点検・メンテナンスがしやすいようにしておくことも、家の寿命を伸ばす大切なポイントです。
6. まとめ|住まいも「育つ」時代へ
これからの住まいづくりやリノベーションにおいては、「完成品としての家」ではなく、「暮らしとともに育っていく家」という視点がますます重要になります。
岩手の自然と共に暮らす中で、住まいが時間とともに変化し、愛着が深まり、長く使い続けられる存在になることは、まさに“持続可能な暮らし”の実現そのものです。
私たちは藤田摂建築設計事務所と共に、デザインだけでなく、機能・素材・思想においても「育つ住まい」を提案しています。
岩手でリノベーションをご検討の方は、ぜひ“未来に育つ住まい”という選択肢を、リノベの新常識として考えてみてください。
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