冬の寒さを防ぐ家づくりはどうする?岩手で考える気密と断熱の関係

岩手で新築を検討する方からは「断熱材を厚くすれば冬も暖かいのか」という質問をよく受けます。
しかし、断熱材だけでなく、”家全体の気密性(C値)”も冬の快適性に大きく影響します。
この記事では、気密性の役割や断熱との関係、岩手の寒冷地での設計ポイントを整理し、快適で省エネな新築の考え方を解説します。
結論
岩手のような寒冷地で冬も快適に過ごすには、断熱性能と気密性をセットで高めることが重要です。
断熱だけで暖かさを保つことは難しく、隙間風や冷気の侵入を防ぐ気密性(C値)の確保が、快適な室温維持と光熱費の低減につながります。
設計段階から断熱・気密・換気を一体で考えることで、快適で省エネな住まいが実現します。
目次
1. 気密性とは?C値でわかる家の隙間の目安
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気密性(C値):住宅の隙間の量を示す指標(単位:cm²/m²)
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数値が小さいほど隙間が少なく、暖房効率が高まる
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最新の目安
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C値0.5以下:高気密住宅(ZEH・高断熱高気密住宅レベル)
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C値0.5〜1.0:平均的な現代住宅
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C値2.0以上:標準的〜やや低気密住宅
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国の基準として法的上限はありませんが、寒冷地では1.0以下が推奨されることが多く、岩手でも断熱等性能等級5〜6を目標に設計される住宅が増えています。
2. 断熱と気密の違いと関係性
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断熱:熱の伝わり方(伝導・対流・放射)を抑え、外部との熱の出入りを減らす
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気密:空気の移動や湿気の流入を制御
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両者を併せることで、初めて室内温度の安定や計画的な換気が可能になります
断熱だけでは隙間風による冷気侵入を防げず、気密だけでは熱の逃げ道を制御できません。
3. 気密性が低いとどうなる?冬の寒さ・結露リスク
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隙間風により室温ムラが発生
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暖房効率が低下し光熱費が増加
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壁内・窓まわり結露のリスク上昇
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家族が暖房に頼りすぎ、乾燥や健康影響が出る場合も
4. 岩手の寒冷地で必要な気密設計のポイント
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C値1.0以下を目安に設計(可能なら0.5以下を目標)
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換気システム:第1種熱交換型換気(全熱交換)を推奨、熱損失を抑えつつ換気を確保
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熱橋対策:梁や壁の断熱・施工精度を向上させる
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施工精度の確認:C値測定(blower-doorテスト)で隙間量をチェック
5. 気密性能を高める施工方法
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気密シート・テープの施工で隙間を封じる
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重点施工箇所
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サッシまわり
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屋根と壁の取り合い
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基礎立ち上がり部
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コンセント・配管まわり
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現場発泡ウレタンや専用気密パッキンを使用し、施工精度を確保
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換気経路を整理し、計画換気を徹底
6. よくある質問(FAQ)
Q1. 断熱を厚くすれば気密性は不要ですか?
A. 不要ではありません。断熱と気密はセットで設計する必要があります。
Q2. 高気密にすると夏は暑くなりますか?
A. 高気密だからといって夏が暑くなるわけではありません。外気の侵入を防ぎ、冷房効率も向上します。日射遮蔽や通風計画も組み合わせることで年間を通して快適です。
Q3. 岩手の寒冷地での標準的なC値はどのくらいですか?
A. 新築住宅ではC値0.5〜2.0程度が主流で、性能重視の場合は0.5以下を目指すこともあります。
Q4. 施工後に気密性能を改善できますか?
A. 可能ですが、新築時に施工精度を高める方がコスト効率と効果の面で望ましいです。
まとめ
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岩手の寒冷地では、断熱と気密をセットで設計することが快適性・省エネの鍵
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C値は1.0以下を目安、可能なら0.5以下を目指す
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第1種熱交換型換気で換気と熱損失抑制を両立
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サッシ・配管・屋根・壁の施工精度が性能を左右する
新築時に設計段階から断熱・気密・換気を一体で計画し、施工精度を確認することが、岩手の冬でも快適な住まいをつくるポイントです
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